そんな悩みに工場で夜勤シフトを20年経験した管理人「けいすけ」がお答えします。
夜勤って、昼夜が逆転した不規則な生活、週ごとに発生するシフトチェンジ…など心身への負担が並大抵ではありませんよね。
その辛さのためでしょうか・・・たびたびこんな風にウワサされています。それは…
夜勤をすると寿命が縮む!

えっ?と叫びたくなりますよね
私は20年の夜勤生活で「夜勤の健康リスク」を繰り返し耳にしてきました。果たして…このウワサは本当なのでしょうか?いろんな研究報告から解説します。
いま現役で夜勤を頑張っている人のほか、これから夜勤を始めてみようかな?と考えている人にも必ず知っておいてほしい情報なんです。
Contents
夜勤で寿命が縮むって本当なの?私の結論「本当だと思う」
「夜勤で寿命が縮む」
深刻なテーマだけに、本当なら日本政府が発表する統計データなどを基にして話を進めたいのですが、どこを探してもそんなデータは見当たりません。
この説の根拠として最も有名なものが1976年にフランスで発表されたヴィスナール教授の研究報告です。そう…古い外国の研究データなんですよ。
報告の内容はこんな感じ・・・
フランス政府の要請により、ヴィスナール教授は交代勤務をする2万人の労働者を調査しました。その結果…
と報告したのです。
教授の報告では、夜勤を続けると睡眠障害、イライラ、うつ症状、胃病などが発症し、それらが体を蝕(むしば)むため寿命が縮まるとしています。
ちなみに・・・ヴィスナール教授の研究報告について調べたのですが、これ以上の情報は出てきませんでした。
10年の根拠が知りたかったのですが、教授の顔写真さえ見つからないんです。わかったのはこの研究報告が1976年11月10日の朝日新聞で報じられた…ということだけ。
ヴィスナール教授の研究は、40年以上も前のデータであり、しかもフランスでのお話です。当時の研究データをそのまま現在の日本に当てはめるのは無理があると思います。
さらに人によっては・・・
夜勤で寿命が縮むのは嘘だ!という考えもあるようです。そのような意見を述べるサイトを何度も見かけました。
その根拠には「労働環境の改善」や「生活水準の向上」があるみたいです。なるほど…確かにエアコンひとつ考えても夏場の睡眠に大いに役立ちますよね。
また医療の進歩もあり日本の平均寿命は延び続けています。そのこともヴィスナール教授の説を否定する根拠になっているようです。

以上のことを踏まえて
私の結論を紹介します
【私の結論】
10年という期間は微妙ですが…現在の日本でも「夜勤で寿命が縮んでいる」と考えるのが妥当だと思います。
‐結論にいたった理由‐
色んな技術の進歩があったとしても、夜勤をする人が不規則な生活をしいられているのは、今の日本も、昔のフランスも何ら変わらないと思うんです。
また平均寿命が延びているといっても、あくまで平均なので、昼勤作業者に比べ、夜勤作業者の寿命が縮んでいるかどうかには関係ありません。
そして何より、夜勤シフトを経験してきた肌感覚として、夜勤の命削ってる感ってえげつないんです。明け方ごろなんてガリガリと音がするぐらい。

2017年11月17日追記です
追記です
2017年10月17日の朝日新聞デジタル版にとても興味深い記事が載っていました。
その論文がこちら⇒京都府立大「頻繁な明暗シフト環境への長期暴露は慢性炎症を誘導」
実験では、ハツカネズミを2つのグループに分け、別々の環境下で630日間育てました。2つのグループは次のとおり。
①ゆるいシフトのグループ

明るい時間帯を7日ごとに8時間ずつ後ろにズラします。工場の夜勤シフトでいうと「昼勤⇒準夜勤⇒夜勤」といった感じ。
②きついシフトのグループ

明るい時間帯を4日ごとに8時間ずつ前倒しします。工場の夜勤シフトでいうと「昼勤⇒夜勤⇒準夜勤」といった感じ。
実験の結果
シフト変化に対応できており、行動リズムの乱れはほとんど無い。14匹中1匹が死亡。
②きついシフトのグループ
多くのマウスがシフト変化に対応できず、行動リズムが激しく乱されていた。34匹中9匹が死亡し、その多くの個体から炎症反応が確認された。死亡率は①グループより4.26倍高い。
マウス実験でサンプルも少ないため、さらなる検証は必要だと思いますが、きついシフトほど体に負担がかかり、死亡率も高くなる…と判断できます。
ちなみに・・・京都府立大はこれ以前にもマウス実験を行っていて「頻繁なシフトは寿命を縮める」と発表しています。
続いて・・・重たい話が続きますが、こちらも気になる「夜勤と病気」について…
夜勤と病気に関する研究報告
夜勤が寿命を縮めることの裏付けとなるような「夜勤と病気に関する研究報告」が色んな研究機関から発表されています。それをご紹介しますね。
お届けするテーマは次の3つです。
- 夜勤と糖尿病
- 夜勤とガン
- 夜勤と胃腸病
夜勤と糖尿病
夜勤年数と糖尿病発症リスクの関係
- 夜勤年数 1~2年・・・ 5%上昇
- 夜勤年数 10~19年・・・40%上昇
- 夜勤年数 20年 以上・・・60%上昇
リスクが上昇する原因は、夜勤作業者が代謝の落ちる深夜に食事をしたり、睡眠不足により食欲抑制ホルモンの分泌がされず肥満傾向にあるため…と報告しています。
夜勤とガン
夜勤でガンのリスクが上昇する原因は、睡眠不足のほか、夜間に照明の下で働くことも関係すると言われています。

このメラトニンには強い抗酸化作用があり、活性酸素によるダメージから細胞を守ってくれるんです。そう…ガン細胞とも戦ってくれる頼りになる存在なのです。
※健康な人でも1日5千個のガン細胞が生まれているといいます。それを異物として免疫細胞が退治してくれているんです。
ところが・・・
夜間に明るい環境で過ごすとメラトニンが分泌されづらくなります。その結果、メラトニンが減少してガン細胞を退治しきれなくなる…と考えられているんです。
胃腸病のリスクが高まる
胃腸病のリスクが高くなる原因は、睡眠不足からくるストレスによって胃腸が変調をきたすため…と結論付けています。
そのほかの病気
統計データや論文などは見つかりませんでしたが、夜勤はうつ病を発症しやすいといわれています。その原因となるのが次の3つです。
1.セロトニンが欠乏しやすい
2.睡眠不足になりやすい
3.症状に気付きにくい
夜勤をする人はうつ症状があっても「夜勤だからこんなものかな…」となかなか病院に行こうとせず重症化するケースが多いんですよ。ご注意下さい。
個人としてどう対応すればいいの?
あくまで私の個人的な意見ですが・・・
そのためには・・・次の4つが大事だと思います。
夜勤で健康的な生活をするために大事なこと4つ
①睡眠を最優先に考える
②食事に気を配る
③会社で仮眠をとる
④休みは昼型の生活をする
それでは順番に解説しますね。
①睡眠を最優先に考える
夜勤中は眠ることが最優先です。行き当たりばったりで眠ったりせず、いつ眠るのか?スケジュールをたてて眠りましょう。
眠りやすい環境を作ることも大事です。遮光カーテン、寝具、エアコンなどしっかりとお金をかけて眠りやすい環境を作りましょうね。眠りやすい環境に引っ越すのもありです。
⇒夜勤の睡眠方法を詳しく
②食事に気を配る
夜勤中は胃腸の働きが低下します。栄養バランスを考えながら、消化の良い食事を心がけましょう。そのためには外食やコンビニはやめて自炊をしましょ。
また夜勤中は睡眠不足から食欲増進ホルモンが分泌されるので食べ過ぎに注意です。食事回数もきっちり管理しましょうね。一日三食が原則。そのためにも自炊がイチバンです。
⇒夜勤の食事方法を詳しく
③会社で仮眠をとる
看護師や介護師など…夜勤中に仮眠時間がある場合には必ず仮眠をとりましょう。夜の睡眠は昼にくらべて回復効果が3倍高いことが分かっているんですよ。
工場など仮眠時間が無い職場でも、食事休憩などを利用し10分でもいいので仮眠をしましょう。そうすれば家に帰ってから眠りやすくなります。10分の積み重ねが健康につながります。
⇒夜勤の仮眠方法を詳しく
④休みは昼型の生活をする
休日は昼型の生活を心がけ、必ず夜に眠りましょう。夜の睡眠は昼のそれよりも3倍回復できるんです。夜に寝るチャンスがあるときは必ず夜に寝る…これ鉄則です。
そのため次のことはすべてNGです。
・夜勤週が始まる前日の昼に寝だめ
・夜勤週が始まる前日の夜更かしや徹夜
・夜勤週が終わった日の昼に寝つづける
・夜勤週が終わった日に仮眠せず出かける
⇒夜勤前の過ごし方を詳しく
⇒夜勤明けの過ごし方を詳しく

末永く夜勤を続けていくためにも、これら4つのことを守って、可能なかぎり健康的な生活を送りましょう。
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あとがき・・・
夜勤と寿命について解説しました。
いま一度、私の考えをまとめておきますね。
ヴィスナール教授ほか、いろんな大学などの研究報告から鑑みて、不規則な生活をする夜勤で寿命が縮まるのは本当だと思います。
最後にひとつだけ・・・
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それでは・・・

記事:けいすけ
おはようございます。
今夜勤中で、この記事に目が止まったので、コメントさせてもらってます。
現在、45歳の男性で製造業にて、隔週の夜勤の仕事をしております。(旋盤工)
夜勤しだして12~3年ですが、今年から会社都合で夜勤がなくなりそうです。
夜勤は手当てがいいので、無くなると月の手取り収入が5万ほど変わります。
なので、家族抱えて、それは死活問題だなぁ~と思ってましたが、逆に健康の事を考えると、いいタイミングなのかな?と感じます。
特殊健康診断では今まで、特に問題なかったのですが、最近、コレステロールや、血圧、貧血などたくさん引っかかるようになりました。
全て夜勤のせいではないと思いますが、リスクは間違いなくあるんだろうなと感じでます。
健康でこそ、仕事もできるので、ここらで、日勤で定年まで働けるように体調整しないとダメなのかなと前向きに捉えてます。
なので、この記事が大変、為になりました。ありがとうこざいます!
まさる様
コメントありがとうございます。多少なりとも記事がお役に立てたのなら嬉しいです。
もう13年も夜勤をしてこられたのですね。特に一週間毎の昼夜シフトチェンジはかなりハードですよね。ご苦労さまでした。
今後は昼勤だけになるそうですが、手当てが減るデメリット以上に、昼型生活で得られるメリットは大きいのでは?と個人的には思います。
これからもどうかお仕事を頑張って下さいね。
けいすけ
こんにちは。
自分は先日まで、期間工で働いていました。(今は力仕事に耐えられずに退職しました。)
その中で夜勤もあり、どのように過ごせばいいのか不安でした。
そうした中、あなたのサイトを見つけ、参考にさせて頂きました。
やっぱり、夜勤はきついし、健康に悪い感じがしますよね。
なんとか仕事できるけど、どこか違和感を感じる。
退職した時はショックでした。でも、長生きしたいので今は良かった気がします。
リックさま、コメントありがとうございます。
私も夜勤(会社)を辞めた時はショックが大きかったです。年齢が年齢だったし…でも今は健康的な生活を送れるようになったので辞めて良かったと心から思っています。
リックさまも長い目で見れば辞めたことがプラスになるのでは無いでしょうか…どうかこれからも健康に留意いただき頑張って下さいね。
けいすけ
けいすけさんこんにちは。私は40代のタクシー運転手です。タクシー運転手は勤務シフトが不規則で、一日おきに徹夜する生活を4~5年続けていたら、がんになりました。他に思い当たる原因はなく、不規則な生活サイクルのせいで毎日4時間位しか眠れない体質になってしまったからだと思います。こんな仕事に就いたばかりに、早死するなんて後悔しかありません。
ますちゃん様
貴重なコメントありがとうございます。
勝手なことはいえませんが、回復されることを心より願っております。
ホテルで約10年間夜勤を経験しました。
あの命を削る感じ凄く分かります。
夜勤明けの脳が働いてない感覚、体は疲れているのに眠れない、飲まないと寝れないetc
人間は朝起きて昼間日光を浴る。そして夜は寝るように作られてます。
真逆の生活が健康なはずは無いですよね。
今は日中に働く仕事へ転職しましたが、一番の変化は食事です。
夜勤後、仮眠後に食べるご飯に比べ昼間働いて食べるご飯は昼も夜も数倍おいしいです。
これも夜勤経験者にしか分からない感覚のはず!
他人ごとには思えない記事でコメントさせて頂きました。